FRP 防水

FRP

FRP防水とは?

FRP防水とは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を使用した防水施工方法です。
FRPとは、ガラス繊維などの無機質素材で補強されたプラスチックで、軽量かつ強固な特性があります。
このガラス繊維のマットに樹脂を染み込ませたものを防水層として貼り付け、トップコート(紫外線から防水層を保護します)を塗布して防水層を作ることをFRP防水といいます。
FRP防水は身近なところでは、住宅のバルコニー、浴室やプール、屋上駐車場等で数多く施工されています。
FRP防水は継ぎ目がないシームレスな防水層となり、優れた防水性能を発揮します。
耐久年数は約10年で、燃えにくく母体となる木材、コンクリート表面を水や腐食等の外的要因から保護する工法です。

FRP防水のメリット

1.貯水槽や潜水艇にも利用される高い防水性と耐久性!

FRPは漏水が起こったらすぐに事故に繋がってしまう船体にも使われています。
水を漏らさないという性能について様々なところで証明されており、極めて雨漏りしにくい防水方法として定評があります。

2.軽さ

一般的なベランダの軽歩行仕上げでは、1m²あたりわずか3kg未満に抑えられます。
このため、FRP防水は場所を選ばず、どこでも簡単に施工可能になります。

3.錆びない、腐食しない

FRPは錆などの酸化とは無関係ですから、錆びず腐食しません。
ただし紫外線による劣化は起こる可能性があります。(トップコートを塗布することにより防げます)

4.工期が短い

FRP防水は硬化がとても早いため、施工期間が1日~2日で終わることもあります。
工事の期間が短縮されることにより、工事関係者のストレス軽減にも繋がります。

5.強靭性

他の防水材と比べ、硬度が高く、露出防水でも耐衝撃性・耐摩耗性に優れています。
さまざまな用途に屋上をご利用いただけます。

FRP防水のデメリット

1.費用がやや高め

FRP防水はとても優秀な防水材のため、他の防水材に比べて少し高くなってしまいます。

2.施工場所をやや選ぶ

FRP防水は硬度が高くとても優れている防水方法ですが、伸縮性はあまりないため、木造(小さなエリアなら可能)など収縮することのある場所で使用すると、ひび割れが起きてしまうことがあります。
また、施工する場所の下地が鉄の場合もFRP防水は向いていません。

3.独特な匂い

FRP防水施工中はシンナーよりも強いと言われるほどの独特な匂いが発生します。
そのため、近隣への配慮が必要になります。

4.紫外線に弱い

プラスチック素材が使われているので、紫外線に弱いという欠点があります。
したがって基本的に5年に1度は表面の防水層を保護している『トップコート』の塗り替えが必要になります。

(FRP防水が向いている場所、向いていない場所は?)

一般的に木造の小さなバルコニーに使用されることが多いです。
理由は燃えにくい、防水性が高い、また洗濯物など頻繁に使用する場合、耐衝撃性・耐摩耗性に優れているため、木造のバルコニーに最適だと考えられます。

(FRP防水の経年劣化とメンテナンス)

防水メーカーの仕様によりますが、一般的に5年に一度はトップコートによる塗り替えが必要です。
劣化が著しい場合は撤去してやり直すなども必要になってきます。

何を重視するかで最適な選択を

FRP防水は合成素材ということで、ウレタン防水に比べると環境には優しくありませんが、耐久性や強度を重視するのであれば最適な選択になります。最終的にはオーナー様が何を重視されるかによるかがポイントですが、後で後悔することのないよう十分に検討し、不安な場合はぜひ弊社にお問合せください。

FRP防水の豆知識

ガラスマットの積層枚数をPLY(プライ)とあらわします。
1PLYというのはこのマットを1枚で防水層とするという意味です。
2PLYは1枚樹脂で固めたら、その上にもう1枚貼り付ける、つまりガラスマットを2枚積層するということです。
間違えてほしくないのは、1PLY=手抜きではないということです。各メーカーでも1PLYの仕様は出ています。
詳しく書くと、ガラスマットにも2種類があります。いわゆるサンパチマット(#380)とヨンゴーマット(#450)というのですが、簡単にお伝えしますとガラス繊維の密度の違いで、380より450の方が、密度が高いマットです。
2PLY工法には#380マットを2枚積層するのですが、1PLYの場合には#450のマットを1枚張る仕様で出ています。
ご参考になれば幸いです。

FRP防水においてやってはいけない○○なこと

○立ち上がりPLY数を減らす

立ち上がり1PLY
これは平面は2PLYの2層とし、立面のみ1層とするものです。もし図面に2PLYという規定があれば、それを守って施工することが重要です。

○研磨を省く

研磨というのは、サンドペーパーで下地をゴリゴリ削る工程です。レベルの高い職人ほど、この工程を大切にします。
逆にレベルの低い職人ほどこの工程を軽視することが言えると思います。
なぜか、、、理由は大変&地味な作業だからです。
削る工程は下地と中塗り後、2種類あります。
それぞれの役割は下記になります。

下地

サイディング下地、窯業系下地の一部には、エマルジョン系の塗装がかかっているものがあります。
この塗装に対し、強溶剤で上からかぶせると樹脂の収縮でエマルジョン塗装と下地部が滑ってシワになります。
そのため素材によっては全研磨する必要がります。弊社の経験上、全剥離は難しいので、部分研磨でも行える可能性があります。何割削ったらいいのか?という問題については素材にもよりますし、ケースバイケースですので、お気軽 にご相談ください。

中塗り後

中塗りの際にトップコートを数割前後混ぜて塗ると、色付きの樹脂層ができます。
トップコートというのは非常に硬い膜ですが、樹脂層は下地に追従できるよう柔軟性があるため、このギャップにより剥がれやすくなります。
中間層に両方と相性がよい素材をまぜることでバッファとなり、剥離の可能性がとても下がります。
これまで数々のトップコートが剥がれた現場をたくさん施工してきたのですが、そのほとんどが中塗り層がありませんでした。
中塗りの役割として、ガラスの網目を消して綺麗にする美観の役割も果たすため、見た目にも機能性にも関わるため、とても重要な工程です。

※上記の説明はメーカー仕様によっていろいろな施工方法があります。研磨もメーカーにより不要な施工方法もあり、各メーカー仕様を守り施工することが大切です。

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